第601回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第600話  横浜正金銀行 浦塩支店の事。      2013年10月14日 月曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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           中国 満州のハルピン駅から、鉄道で一路、南下した、三好少尉は、車中で
 
      
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                     車窓から、雪景色の風景を楽しんでいたのです。
 
  
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          当事の鉄道は、特等から、三等まで、料金によって、区別されていて、特等席は、
 
        戦後の現在の海外旅行で乗る飛行機の、ファーストクラスのような、 食事や、
 
        飲み物のサービスが受けれたのでした。
 
 
 
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        温かい客車で、 赤ワインを、ちびりちびりと、やりながら、ウラジオストックに着いたら、
 
        どのように、事を運ぶか、思案していたのでした。
 
 
        そこに、支那人の服装をした女が近づいてきて、 小声で、「 チョーコトウシャオチェン。」
 
        と、語りかけてきたので、合い言葉の、「 チョーコイーパィチェン。」と、返答をすると、
 
        カバンを、三好少尉に渡して、すぐ姿を消したのでした。
 
 
 
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        ハルピンの特務機関では、見かけない顔なので、 奉天かどこかの、特務機関の女では
 
        無いかと思ったのですが、 しばらくして、個室の寝台に戻り、カバンを開けると、
 
 
 
 
 
 
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           横浜正金銀行浦塩支店に提出する書類と、密封命令書と、
 
 
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             工作資金とウラジオストック市内の地図が入っていたのでした。
 
 
 
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         密封命令書の内容は、 横浜正金銀行浦塩支店の2階に、泰平組合 浦塩支店
 
         を開設するとともに、 宣撫工作作戦【せんぶこうさくさくせん】の為、 内地小樽港
 
         より、 3月初旬、日本ハリストス正教会の神父に変装した工作員4名と、 西本願寺
 
         布教場の僧侶に、 変装した工作員が、ウラジオストックに上陸する受け入れ準備
 
         をせよ。と言う内容であったのです。
 
         
 
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       宣撫工作作戦【せんぶこうさくさくせん】とは、何かと言いますと、 日本が占領した後に、
 
   その地方の外国市民を安心させるために、 民心安定を目的として、派遣される宣撫官という
 
 
 
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   職種の工作員で、 いろんなケースがあるのですが、 宗教指導者に化けて、 宗教活動をしな
 
  がら、諜報活動をしたり、 情報交換場所として、 宗教施設を利用したり、当時はしていたのです。
 
 
 
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   ウラジオストックに到着した、三好少尉は、スヴェントランスカヤ通り20番 の横浜正金銀行
 
  浦塩支店をたずねたのでした。  
 
    横浜正金銀行とは、日本銀行の部長クラスが、頭取に横滑りして、大蔵省などの官僚が
 
   天下りをする、まあ、当事は日本では、大きな銀行の1つで、 積極的に海外に支店を設けて
 
   政府の協力をする傍ら、 政府の事業に深く関与して、 発展していた銀行でした。
 
   
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     その当事の横浜正金銀行の頭取も、日本銀行の出身者の梶原仲治 頭取と言う人物で、
 
      東京帝大卒のエリートでした。   
 
     横浜正金銀行浦塩支店長に、 横浜正金銀行の梶原頭取の手紙を渡すと、 三好少尉は、
 
     二階の一室に案内されたのでした。
 
      入り口には、すでに、泰平組合 ウラジオストック支店と、 表札がかけてあったのでした。
 
 
 
 
【  次回に続く。 】