第728回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第727話 海軍兵学校 宮島 弥山【みせん】登山競技の事。 2014年2月18日 火曜日の投稿です。
海軍兵学校の毎年の恒例行事の秋の宮島の弥山【みせん】の登山競技は、中継地点
の頂上に、私はほんの数分早めに到着したのです。
私達の前の第12分隊は、少し遅れていたようで、 すぐ出発していきました。
曹長の、時計が止められたのです。
これらの監事附殿たちは、はじめの第1分隊と一緒に、頂上に駆け上っていて、 私達
の走って登ってくるのを、時間を測定し、 いかさまをして、途中で引き返していないか
見分しているわけです。
基本的に、トラブルがなければ、5分事の出発ですので、当時記憶によりますと
全体で18分隊であったように、思います。
なにぶん古い昔ですので、ご容赦いただきたいのですが、1番はじめの第1分隊
から、最後の第18分隊までと言いますと、単純に暗算しますと、1時間30分かかる
訳です。
下からどんどん上がってくるので、ポンプで押し出されるように、出発して
いきませんと、頂上は、一杯になってしまいます。
私達は、数分、息抜きを僅かな時をすごすと、今度は別の登山ルートを駆け下りる
ことになっていったのでした。
頂上の、監事附どのが、「全体、駆け足用意ーーーーー。」と、号令をかけますと
私達は、その場で、「1、2、1、2ーーーーーーーー。」と、かけ声をかけまして、
「 第13分隊、 駆け足 はじめーーーーい。」の号令で、 一斉に今度は下に
向かって、駆け下りていったのです。
登ってきた逆に、 今度は、3号生徒 が前、2号生徒、1号生徒、 末尾は、分隊伍長殿
と、こんな感じだったと思います。
駆け下りていく時、ふと、横を見ますと、後の分隊が、「 ふーふー、ひーひー。」と、
いいながら、 遠方に、走って上がっているのが見えまして、 駆け下りるというのは、
コツがありまして、 平地を走るのと違い、 飛ぶようにすると言うか、 とん、とん、とん
と、足を突いていくといいますか、 こうしていきますと、随分と楽であったと思います。
つまり、すこしですが、宙を飛ぶと言いますか、そんな感じです。
私達は、 「 1、2、1、2ーーーー。」と、かけ声をかけながら、 下の宮島の大鳥居を
目指して、駆け下りていったのでした。
「 あと、もうすこしの辛抱やがな。」と、 自分にいいきかせて、頑張ったのです。
【次回に続く。】