第979回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第978話  海軍兵学校、宮島の包ヶ浦の幕営のこと。 2014年10月27日 月曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
   「 だれかっーーーー、こんな結び方をした者は。」と、 怒鳴り声がしまして、 振り向くと
 
  監事附の曹長殿が、「 全員集合。」と、号令をかけたのです。
 
  私達は、整列して、 口々に番号を叫んで、点呼を行い、「 淵田 美津雄以下、8名、
 
  整列いたしました。」と、 申告すると、「 こんな、ロープの結び方を、だれが教えた。」と、
 
  ずいぶん大きな声で、指導を受けたのです。
 
 
 
 
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       海軍の天幕は、6本または、9本の支柱で天幕を立てらし、周囲に杭をかけや
 
       【木製の大型のハンマー】  で、打ち込んで、ロープで固定する仕組みでありました。
 
 
 
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          以前紹介しましたが、 私達が海軍兵学校に入学して、初めに実習したのが、
 
          ロープの扱い方と、 結び方でありました。
 
          ロープの結びが悪いと、 艦艇の上では,死に至るケースもあり、 ずいぶん
 
          やかましく指導されたのですが、 だれかが、 通称、くそ結びという、やり方で、
 
          杭に結んでいたのが、監事附殿に、見つかったようでした。
 
 
 
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           みなさん、 上手に結んで、ロープで引っ張り、テントを固定しないと、
 
           寝ていて、屋根から倒れて、下敷きになってしまいます。
 
           私達は、やかましく指導を受けた後、兵学校から運んできた、体操用の
 
           マットを、 天幕内に広げまして、 「 どゃ、 ねごこちは、 どうかいな。」と、
 
           同じ分隊の生徒と、 楽しく寝っ転がったのを記憶しています。
 
           渥美生徒であったか、「淵やん、 ずいぶん暑いなーー、天幕の中。」と、
 
         
 
 
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          言うものですから、 暑いはずです 宮島の包ヶ浦の砂浜は、焼け付くように
 
          暑くなっていたのです。
 
          その暑い7月の終わりの砂浜で、 汗だくになって、 偶数番号の生徒は
 
 
 
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           昼の糧食の補給の準備をしていたのです。
 
           私達は、当時食べ盛りで、「 はよう、できんかいな。」と、 楽しみにしていたのです。
 
 
【次回に続く。】