第1030回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1029話  軍人の武力行使の事。      2014年12月17日 水曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
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         大正9年になると、陸軍と海軍と政治家と官僚と財閥を上手に天秤にかけて懐柔し、
 
         政治を続けてきた 原 敬 内閣総理大臣は、陸軍と、 その後についている財閥と
 
         対立するようになっていったのです。
 
 
 
 
 
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      原因は、アメリカのウッドロウ、ウィルソン大統領でありました。
 
     ウィルソン大統領は、このまま、日本を放置するとアメリカを脅かす大帝国となり、中国大陸に
 
     アメリカも当時進出して、植民地化を考えていたようで、日本という国を枠をはめて、押さえ込
 
     もう考えていたようです。
 
     日本がどんどん進出していた、シベリアからの撤退を要求してきたのです。
 
     それと合わせて、 日清、日露の戦争当時からアメリカが購入していた、日本の戦争国債
 
     解約を申し入れてきたのです。
 
     つまり、 シベリアからの撤退をしないのであれば、 借金を全額返済しろと、金融圧力を
 
     我国にかけてきたのです。
 
 
 
 
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         そのようなお金はなかったので、シベリアから撤退するしかなかったのですが、
 
         外務省がシベリアからの撤退を約束して帰ったのですが、 陸軍が天皇陛下
 
         統帥権を主張して、内閣の指示を無視して、 どんどん内陸に進行していき、
 
         原内閣と 対立するようになっていったのです。
 
 
 
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         大正天皇は、脳の病で、葉山の御用邸で、療養生活、 代わりに、 東宮裕仁殿下
 
         を、摂政に任じて、 皇太子殿下から、陸軍に命令を出して、シベリアからの撤退を
 
         させようと、根回しの最中、 大正10年の11月に、原 敬 内閣総理大臣は暗殺
 
         されてしまうのです。 
 
 
 
 
 
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           当時、自分のひとつ上の歳の中岡という国鉄の職員が、原 敬 内閣総理大臣
 
           東京駅で襲い、殺害したのですが、 この犯人の家の莫大な借金が、きれいに返済
 
           されなくなっていたことや、 裁判で無期懲役の判決が出て収監された後、陸軍の
 
 
 
 
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           圧力で、刑務所内で特別扱いを受け、 ほとぼりが冷めた数年後、なんと、出所して
 
           陸軍の軍属として、ずっと陸軍が彼を雇用して面倒を見ていたそうで、 暗殺事件の
 
           黒幕は、陸軍とその周辺の財閥と言われています。 
 
 
 
 
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           軍人というのは、 国軍で、 国民と国を守る為に組織された、軍隊であったの
 
           ですが、 陸軍のトップであった,山縣 有朋公が、内外で強引な行動を繰り返し、
 
           それを見ていた周囲の軍人が、暴走を始めた年でもあったのです。
 
           自分の思うことと違うことになると、立腹し、激怒して、大声を出す。
 
           そして、 軍刀を振り回したり、 銃を撃つ、 「 言う事を聞かない相手は
 
            殺してしまえ。」と、こういう陸軍のやり方がどんどん露骨になっていった
 
            のです。
 
            つまり、陸軍という暴力組織は、内閣総理大臣の命令を無視し、天皇統帥権
 
           主張して、 暴走を始めたのです。
 
 
 
         【次回に続く。】