第1037回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1036話 海軍兵学校の健康管理の事。 2014年12月24日水曜日の投稿です。
海軍兵学校の第52期の生徒の中のトップ10人を観察すると、全員健康管理に
ずいぶんと気配りをしておりました。
戦後の一般社会に於いても、「 健康な身体が第1。」 と言うわけです。
病気がちや、体調が優れませんと、何事も良い仕事が出来ないからです。
そこで、健康に気配りすると言う事はどういうことかというと、研究して見ると、栄養に
気配りし、 歯を大切にしていくと言う事でありました。
栄養に配慮するというのは、どういうことかというと、 人間に必要な栄養を考え
バランス良く食べて吸収し、 歯を大切にすると言う事は、食事をとることに非常に
大切であったのです。
それらのことが、なにに通じていくかというと、 結論とすると、「 毛細血管を大切に
少しでも長く保っていく。」 こう言う事が長生きの秘訣なわけです。
年を取りますと、 髪が抜けて、 ハゲになる人がいますが、 研究して見ると、
頭の毛細血管が弱くなり、血液や栄養分が回らなくなり、毛根が死滅するからで、
どんどん、毛細血管が老化して、痴呆の原因にもなっていくのです。
食事の時に、野菜しか食べない人、 魚しか食べない人、肉しか食べない人と
言うのは、 毛細血管に非常に良くないわけであります。
タンパク質を均等にとり、 動物性の油も取りすぎると、血管内がつまり、血管の
破裂につながっていくのです。
肉の脂は、人間の体温で溶けにくいという性質を持っていて、溶けにくい物が大量に
体内に入ると、血管が詰まる原因となり、 その点、 魚の脂というのは、人間の
体温で溶けるので、 血管に優しいわけです。
海軍兵学校の食事というのは、 食べ盛りの自分達からすると、少し量が
少なかったのですが、 非常に栄養に配慮された食事でありました。
その点、 戦後の現在と違い、 自ら進んで気配りをする必要も少なかったのですが、
食事というのは、人間の身体の健康管理上、 基本と言うべき大切な事なのです。
ところで海軍では視力を随分大切に考えていて、 当時は 電探【戦後のレーダーの事】も
なかったので、何事も敵の発見、 発光信号の受信なども、視力に頼っていたのです。
そこで、海軍兵学校では、視力が悪いと、 不合格になる決まりがあったのです。
そのような事で、 入学した後も、自分達をはじめ、全員が視力については、ずいぶん
気を使っていたのです。
メガネをかけている人を研究観察すると、 食事の好き嫌いが激しい人物が多い、
それから、 腹筋の弱い人が多いのです。
「 貴様、視力と、腹筋とどう関係があるのか。」 と、思われるかも知れませんが、
腹筋が弱いというのは、 姿勢が悪い人が多いと言う事です。
つまり、 腹の力が抜け、頭が下になり、ネコのように背中が丸くなる人が、視力が
悪くなっていくのであります。
着席しますと、 ぐっと、腹に力を入れ、背筋を伸ばし、 息を整えて、
机の上の本から、 目との距離をなるべく多くとるように心がけるのです。
視力が悪い人の大半が、姿勢が悪いのであります。
腹の力が抜け、 人間頭が重たいので、頭がどんどん下に落ちていくのです。
結果、 机の上から、目との距離が近くなっていき、 どんどんどんどん
顔を机に近かずけていく事になっていくのです。
そして、 長時間、近くの物を見つめていますと、 人間の目というのは、
近くの物に焦点が集まるように、退化していくというか、順応していってしまい
遠くの物に焦点が合わなくなっていくのです。
そのようなわけで、 健康法の第2の大切な事は、 姿勢を意識して、
腹にぐっと力を入れて、 背筋を伸ばして、 机の上の書物から、
しっかり距離をとること、 これが随分大切な事であります。
【次回に続く。】