第1042回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1041話 海軍兵学校 平本 道隆 生徒の事。 2014年12月29日月曜日の投稿です。
先輩生徒を回って、 その授業の内容や、 出題傾向、 実技考査の内容を
情報収集して回り、 その情報を検討して、 計画を立案して勉強して行く方法
というのは、 同じ問題は出ないとしても、 おおよその予想がつき、 また、実技
考査などは、 その情報を元に、 事前に練習できるとあって、 実に強力な武器
となるのですが、 残念な事に、聞いて教えてくれる人は少なかったのです。
と言うのが、 17歳の少年でしたので、 同学年の同期でも、ひとつ上、2つ上、3つ
上の歳の生徒で、 さらに上のクラスの、第51期、 その上のクラスの第50期の
生徒となると、自分より4歳も、5歳も年上の生徒で、話もしてもらえないというのが、
実情でありました。
また、海軍兵学校という所は、上下関係が大変厳しい学校で、 そうたやすく、
上級生とお話が出来ないような雰囲気であったのです。
自分の同郷の 広島第1中学出身の 平本 道隆 生徒が第51期に在籍され
ていて、 様子を見て、 話しかけてみる事にしたのです。
みなさんも良く覚えていただいとくと良いのですが、 年下の男が来て、回りくどい話を
したり、 わざと関係のない世間話をしたり、 取ってつけたようなことをすると、 相手は
年上の秀才なので、 こちらの考えを見抜いて、 逆に 作り事をすると、印象を悪くすると
考えて、 考えていることを素直に平本生徒殿にお話ししたのです。
「 まず、要件を整理して、 結論から簡潔に相手に伝え、 その後、補足説明をする。」
こう言う事が大切な事であります。
「 貴様、 なかなか、考えたなーーー。」と、言う事になって、 存じ寄りの広島県の生徒や
周囲の生徒に聞いていただいて、 時々教えていただくことになったのです。
そのような形で、 どんどん、情報を入手して、 酒保て゛買い求めた帳面に
情報を書いていき、 その情報を元に検討を加えて、 少ない時間を有効に
使用することが出来たのです。
勉強に充てる時間が少ないので、 極力授業中、 教官の話を耳をそばだてて
聞いて、頭に入れていき、 眠い時もあったのですが、 我慢して、 その話を
極力頭に入れて、 同じ事を復習しなくて良いように、 授業中を温習の時間と
考えて、 勉強をしていったのです。
こう言う方法ですと、 2時間もない、温習【戦後の自習時間の事】時間が、3倍
4倍にも増やせるわけです。
「 授業中、 教官のお話を、極力要点を抽出して、 暗記していく。」
こういう心がけで、頑張っていったのですが、当時は覚えることがたくさんあり
大変で、 何か良い方法はない物かと考えるようになっていったのです。
【次回に続く。】