第7回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第6話 海軍兵学校に進学した先輩を見る。     2012年2月8日水曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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大正4年4月に、奈良県立畝傍【うねび】中学校に合格して、入学したのです。

父と母は、たいそう喜んでくれまして、希望にわいて、中学校に通ったのです。
 
この頃から、陸軍士官学校に入学するには、1に、体力 2に、体力と思い、自宅

から、中学校の間を往復駆け足で、走って、足腰を鍛え、また、時間があれば、

腹筋、鉄棒など、なんでも挑戦したのです。
 
武道を始めたのも、この頃で、自分は、剣道を始めました。

今の剣道と違い、足がらみなど、足技がある剣道で、毎日、打ち込み稽古を行い、

汗を流したのです。
 
 
 
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学校の卒業生の先輩で、帰省していた海軍兵学校の寺川虎之助生徒【海兵第47

期卒】が、畝傍中学校の講堂で、話しをするというので、自分も、友人の堀内と一緒

に聞きに行くことにしたのです。
 
どういうわけか、講堂は人であふれ、後のほうに座らないといけなかったのですが、

よく顔が見えなかったのですが、この寺川生徒は、畝傍中学校の中で首席で卒業

した秀才で、当時、海軍兵学校は、東京帝国大学より難しく、難関であったのです。
 
話の内容は、目標を持って勉学に励むよう指導があったのですが、不思議と海軍

兵学校の中の話しがなかったので、残念であったのですが、友人の堀内は、ます

ます海軍軍人になりたくなったようでありました。
 
 
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学校の帰りの五条という町の本屋に、大池敏恵という、かわいい女の子が店番を

していて、本を見るような格好をして、通い出したのもこの頃で、長い髪を三つ編み

にして、すこぶる美女であったのです。
 
そこで、何回かに1回は、本を買うわけで、海軍関係の本も買って読むようになり、

色々と海軍に関する予備知識が出来てきたのも、この頃のことです。
 
 
書き取りをしていた、妻の春子の顔色が変わり、「私以外の女の人の話をして。」

「今日は、もう家に帰ります。」といって、聞き取りをやめて病室を出て、家に帰って

しまった。
 
まったく、困ったことでありまして、 以後の話しは、又後日と言うことにします。
 
 
【次回につづく】