第45回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語。】

第44話 母の病。 2012年3月23日 金曜日 投稿。
 
明けて、翌年の大正9年の1月4日頃であったか、母のシカが、体調を崩して、寝込んでしまった。
 
もともと、どうゆう訳けか、体が丈夫でなく、時々は、熱などを出して、寝込んでいたのであるが、今度は、下腹が
 
痛いと言う。
 
現在は、電話をかければ、救急車や、病院の先生が、往診に来てくれるのであるが、当時はそうはいかない。
 
又、正月と言うこともあり、父が、「美津雄、すまんが、梶田内科に走っていって来てくれないか。」と言われた
 
ので3キロほど離れているのであるが、走って病院に行ってみると、誰もいない。
 
近所の人にきいて見ると、自宅は、又違う場所にあるという、探して、先生に事情を話して、又、病院に行って、
 
先生の道具を持って、先生は自転車で、自分は走って、家まで戻って、大変であった。
 
先生の診断によると、女性特有の子宮の病らしく、出血があり、入院した方が、良いと言うことになり、近所の
 
農家にリアカーを借りにいって、敷き布団を引いて、母を乗せて、寒いので、掛け布団を掛けて、父と二人で、
 
リアカーを引いて、病院に行くことにした。
 
梶田先生は、自転車で一足先に、病院に戻っていったのであった。
 
【次回に続く。】