第46回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語。】

第45話 母、シカ 入院する。 2012年3月24日 土曜日投稿。
 
リアカーに母を乗せて、3キロ先の医院まで、父やぞうと一緒に、病院に行ってみると、看護婦さんとかも、正月
 
休みで、誰もいなかったが、先生が、ベットとか、色々と先に帰って、準備していてくださったので、そのまま、
 
横になって診察していただいたのであるが、当時は、医療器具も原始的で、現在のような医療とは、ほど遠かっ
 
た、先生は、「生理不順で、女性特有のホルモンのバランスが崩れて、体調不良を起こしたのだろう、安心しな
 
さい、当分入院して、安静にしておれば、なおるでしょう。」と、言われ、父も、私も安心したのであった。
 
父が、看病で病室に残って、私は、リアカーを近所に返しに行くため、病院を後にして、家路を急いだ。
 
今、考えて見れば、この段階で、手術をして、医療処置を施せば、母は、長生きできたのであろうが、当時は、
 
そんなことも考えず、医院の先生の話を聞いて、信用するしかなかった。
 
近所に丁重に、挨拶して、リアカーを返却して、1人家で、すごしたのであるが、正月早々、大変な事になり、
 
大正9年の今年は、どうなることやらと、天井の板を見つめながら、考えたいたのを記憶している。 
 
【次回に続く。】