第83回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第82話 父に、入試失敗を告げる。                       2012年4月30日 月曜日の投稿。
 
大正9年の8月10日の日の夕方、夏休み中のこともあり、父が早めに、夕方帰ってきた。
 
父に、「英語の試験がだめだって、不合格になった、あと、英語を合格すれば、作文試験と、口頭試験の2科目
 
だけであったので、あともうすこしだった。」と、残念そうに報告した。
 
「いやーー、美津雄が、お守りを忘れて、出て行っていたので、持って行ってやろうかともおもっとったんだが、
 
はあーーー、だめだったかーーーー。」と落胆したようであった。
 
父が、「美津雄、まずは、夕食にしよう。」と言って、弁当箱などの荷物を置いて、台所に行って、夕食の用意に
 
なった。
 
母のシカは、やりとりを黙ってみていて、布団に横になり、調子が悪そうであった。
 
3人で、夕食をともにして、海軍兵学校の試験が、数百人から、最後の5人になって、結局英語の試験で、2名
 
不合格になり、そのうちの一人であったことを、父や母に告げた。
 
父が、「美津雄、どちらにせよ、畝傍中学の先生方に、挨拶に行って、そして、今後の事を自分で考えて決め
 
なさい。」  「幸い、明日から盆休みで、当直の当番がある物の、父さんも休みなので、一緒に考えよう。」と
 
言う物だから、夕食をパクパク食べながら、うなずいたのであった。
 
【次回に続く。】