第108回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第107話  農作業の苦労。                       2012年5月25日 金曜日投稿。
 
田んぼの耕作主の山口のおじさんと、おばさん、感心なことに、良く動く、よく気配りがきく、よって、協力者も
 
進んで、仕事をする、稲刈りの手伝いをしている男達も、どういうわけか、手足のようである。
 
日露戦争では、補給部隊で、牛や、馬の世話をしていたそうであるが、見事である。
 
よく、人間が集まると、必ず、諍いや、もめ事があるのであるが、比較しては悪いが、大山の新聞屋とは、大違
 
いである。
 
大山の新聞屋では、人がまず、こなかったり、休んだり、ある日突然、やめたりして、ご主人は、人の倍、いや
 
3倍仕事をして、白髪が増えて、てんてこ舞いしているのであるが、ここの田んぼは、まるで違うのである。
 
そして、じっと見ていると、みんなと良く話しをして、聞き役にてっしている。
 
人の話を聞くのは、話し上手という言葉があるが、まさにその通り、そして、話している間も、手が動いている
 
のである。
 
実に、感心してしまった。
 
そして、良いのは奥さんである。
 
主人の顔を立てて、色々と段取りして、決して、主人の顔をつぶすようなことをしないのであるが、なぜか、
 
ご主人は、奥さんの言う通りに、なっているのである。
 
ご主人や、奥さんは、小学校しか出ていないのであるが、人付き合い、人の田んぼでの管理方法にかけて
 
は、ずいぶんと勉強されているようであった。
 
 
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あっという間に、全部刈り取りが終わったと思えば、みんな手を休めず、男達は、我々の稲の束ねを、誰が
 
指示するわけでもないのであるが、手伝うのである。
 
みんなでやるから、早く終わるのである。
 
1人でやっていたら、大変な量である。
 
夕方、挨拶して、家に帰ったら、山口の奥さんが、家に来て、「校長先生のぼんさん、手伝ってくれてありがとう、
 
おばちゃん、晩ご飯もってきたんよ、よかったら食べてねー。」と言って、夕飯を作っておいていってくれた。
 
朝早くから、家族の分もあるだろうし、日中、仕事をして、つかれているであろうに、気配りがきいて、良くでき
 
た人であった。
 
そうしているうちに、父のやぞうが、学校から帰ってきて、家族で食事をしたのであるが、田んぼでの感じた事を
 
父に話すと、「それは、学校では教えてくれない、良い勉強になったなー。」と言われ、人とのつきあい方につい
 
て、色々と話したことを記憶している。
 
【次回に続く。】