第133回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第132話 春日大社に初詣に行く。 2012年6月21日 木曜日投稿です。
父のやぞうと、初詣に行くため、家を出た。
途中、近所は、みんな家で正月を過ごしているようで、誰ともすれ違わなかった。
2人で、「父さん、誰もいないのは寂しいね。」と言うと、「えらい静かだな、だけど、春日大社は、人で一杯と、
思うよ。」と、言うから、どのくらいの人手なのかと、想像しながら、道を急いだのであった。
【当時の春日大社の様子】
周囲には、正月というのに、露店が出ていて、色々と面白い物や、食べ物を売っていた。
食べながら歩いていると、シカがよってくるのである。
ここは、奈良の中でも観光地で、人が多い、人混みの中を父とはぐれないように、歩いて、
参詣したのであった。
お賽銭を投げる人が多く、自分も財布の中から、少しだして、賽銭を、投げ入れた。
寒い日であったが、人が多くて、熱気がむんむんしていた。
手を3回たたいて、「どうか海軍兵学校に、合格しますように。」と、お祈りをして、となりで、
父もお祈りをしていたが、無言で手を合わせていたので、何を祈願していたかは、わからない。
人混みの中を、2人で何とか、通り抜け、途中の露店で、お守り袋と、春日大社の絵が描いてある、
絵はがきを、新聞配達で、通っている、大山の新聞屋さんと、母のシカに、お土産で買ったので
あった。
【次回に続く。】