第220回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第219話  数1の入試試験の始まり。
 
 いよいよ朝の9時ガ近くなると、数人の陸軍の兵士と、背広姿の教師風の男が、会場に入ってきた。
 
 昨年は、海軍士官が、試験担当だったのであるが、まあ どちらでも良いのだが。
 
 
 
イメージ 1
 
 
    背広姿の男は、教卓の所まできて、 「起立、礼。」と言うと、黒板に、試験の日程を書き始めた。 
 
 
  1度、「おほん。」と咳をすると、「えーー、今後の予定である、本日は、数1の試験を行います。
 
  時間は、9時から11時30分まで、全部で5問で、必ず、答案用紙に、受験番号と、姓名を記入して
 
  提出するように、1問でも間違うと不合格で。黒板に書いたのであるが、明日からの試験は受けられなくな
 
  ります、 今日の合否の発表は、夕方の16時前後に、正門付近の掲示板で、行います。尚、試験の途中、
 
  手洗いに行きたくなったり、何かある場合は、手を上げて、係員に告げて、指示を請うように、尚、毎年1名
 
  程度出るのであるが、不正行為が見つかったら、憲兵隊に引き渡して、一生犯罪歴が残るので、絶対に
 
  しないように。」と、言うと、前の席から、答案を配りだして、順次後ろの席に、回して、配布されたのであった。
 
  「答案用紙の無い生徒は申し出よ。」と大声で叫ぶと、返事がないので、「それでは試験を開始する。」と
 
  号令をかけて、入試試験1日目の数1の試験が始まったのであった。  
 
 
【次回に続く。】