第229回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第228話 大正10年5月7日朝の出来事。            2012年9月26日 水曜日投稿です。
 
 翌日の朝、少し早めに起きて、顔を洗い、味噌汁とご飯とたくあんの漬け物を食べて、早めに家を出ることにした。
 
おばちゃんが、「弁当と、水筒、つくっといたけえ、がんばってきんさいね。」と、声をかけてもらって、弁当を受け
 
取って、「ほんなら、いってくるけー。」と言って、下宿を後にしたのであった。
 
 
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             早朝の広島市内を、北に向かって歩いて行き、広島城を目指したのであった。
 
 
 
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             お城の近くまで来ると、当日、天守が、東側から日の出の光を受けて、きれいであったのを
 
          鮮明に覚えている。
 
           
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              少し早めに来たのであるが、他の生徒が、もうすでに到着して、どんどんと生徒が大手門を
 
 
              通過していたのであるが、昨日よりは、人数は10分の1程度で、数は少ない、
 
 
              後から、「おい、源田。」と声がしたので、「だれなら。」と振り返ると、同じ1中の
 
             重森だった。
 
             「なんじゃーおみゃー生きのこっとったんか、昨日で、終わったのかと思うとったら。」
 
             と、言うと、 重森が、「あぶにゃーとこじゃつたんよ、今日は、難しいけえのー、おまえも、
 
              来年になならんように、がんばれや。」と、人の肩を、ポンと、たたいて、先に、大手門の
 
             門番の立番兵士に、「広島第1中学卒、重森靖彦 入試のため入ります。」と大声で、
 
             挨拶して、入っていった。
 
             あいつ、平本中尉に、指導されて、声がおおきくて、大きな人間に、成長したようであった。
 
 
             つづいて、「広島第1中学校卒 源田 實 海軍兵学校入試の為に、入ります。」と、大声で、
 
             挨拶すると、「入って、良し。」と、許可を得て、大手門をくぐり城内、二ノ丸に入ったので
 
             あった。 
 
             今日は、入学試験2日目の数学2の試験の始まりであった。 
 
 
【次回に続く。】