第230回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第229話 数学2の入学試験の事 2012年9月27日木曜日の投稿です。
広島城二ノ丸に入ってしばらくするとさらに、門があったのであった。
そこの立ち番兵士に、挨拶して、指示通り進むと、木造建物があって、そこの下駄箱のある土間から、
建物の中に入った。
事前に、机には、番号が書いた紙が置いてあって、番号88という、番号が置いてある席に
座って、一息ついたのであった。
周囲の机の生徒は、一中の生徒と、修道中学の生徒が、ほとんどであった。
しばらくすると、数人の男たちが、部屋に入ってきた、教卓のところで、じろりと我々の方を、
見つめると、黒板になにやら書き始めたのであった。
本日の予定、次のごとし。
一つ、大正10年5月7日 朝9時より朝11時まで、数学2 合否発表 12時30分より、
二つ、 昼1時30分から3時30分まで英語 合否発表 16時45分より、
「諸君、傾注、 これが本日の予定である。午前中の数学2に、合格しないと、午後の英語は、
受けられない、不合格者はすぐに、帰宅せよ。
各員、合否発表、掲示物を良く読んで、間違いのないよう、行動するように。」と言うと、
前の席に、答案用紙を配り始めたのであった。
順送りで、前から後ろの席に、答案用紙が配布されると、教卓の所から、「答案がないものは、
手を上げるように。」と言うと、誰も返事をしなかった。
「それでは、ただいまから試験を開始する。 解答がすんだ者は、手を上げて、退席しても
よろしい。手洗い、その他のことは、手を上げて、係の兵士の指示に従うように。」と言うと、
腕時計を見ながら、「それでは、はじめ。」と、大きな声で号令を出したのであった。
【次回に続く。】