第294回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第293話  海軍兵学校 作文入学試験の事。      2012年11月30日 金曜日の登校です。
 
 
   みんなで、大笑いして、 少し静かになったところで、陸軍准尉が、「よし、用紙を配布せよ。」と指示を
 
 出すと、上等兵が、用紙を配布してまわったのであった。
 
 
 
 
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                         【大正時代後期の土浦の飛行場】
 
  「時間が来るまで、答案は、机の上に伏せておくように。」と、指示があり、入学試験開始まで、じっと
 
静かに待ったのであった。
 
 「だだ今、ひとよんまるまる時【1400時】 試験を開始する。」という、号令で、9人の生徒は、一斉に用紙を
 
裏返して、試験を始めたのであった。
 
  さて、問題の、作文の問題なのだが、今後海軍兵学校に入学して、どのような軍人になりたいのか、簡潔に
 
述べよ。
 
と、あったのであった。
 
 
      うーーん、これで、合格は間違いなしと、心の中で喜んだのであった。
 
 この問題は、5年前に同様な問題が出題されて、1中で、先生から模範解答を、黒板に書いて、指導して
 
いただいていたので、そのまま記入したのであった。
 
  たしか、天皇陛下のために、命を捧げ、大日本帝国の為に、肉弾となって、 どうのこうのという、今から
 
 思えば、恥ずかしいような、ごますり文書を簡潔に書いたのであった、当時は、飛行機に乗ってどうのこうの
 
より合格することが大切で、先生の模範解答をそのまま記入したのだが、翌日、この解答が原因で、
 
ややこしいことになるのであった。
 
 
【次回に続く。】