第311回 昭和の伝道師【戦中。戦後のパイロットの物語】
第310話 海軍兵学校作文の入学試験の事、 2012年12月17日 月曜日の投稿です。
土間のスノコの手前で、 昼からの作文の試験の心配をしていたのであった。
たった、3人の試験である。 さてーー、どないな、問題が出るのやらーーーーーー。
【大正当時の 大阪市内の様子。】
試験会場の建物に移動して、受付の兵士に、「受験番号 1020番 淵田美津雄 入ります。」と、
挨拶すると、この兵士も、午前中の顔ぶれと一緒なので、「すぐ、入って良し。」と、すんなり、試験会場に、
入れたのであった。
試験開始は、14時からであるが、 まだ時間がある、
他の生徒2名も、会場に入って来たのであったが、 外は、小雨である。
会場で、早めに、時間をつぶした方がよいと思ったのであろうか、 2人とも、見ていると、知り合いのよ
うで、色々と雑談していたのであるが、自分は、浪人なので、こちらから、年下に、話しかけるのも
気が引けて、窓の外を見ていたのであつた。
外を見ていると、大粒の雨が降ってきて、 5月の冷たい雨が、 薄いガラスの木枠の窓に、当たって、
雨の音が、うるさかったのを記憶している。
【次回に続く、】