第314回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第313話 海軍兵学校、 作文入学試験の事、 2012年12月20日木曜日投稿
作文の問題を一通り書き終えると、 誤字、脱字がないか、確認して、頭を上げると、他の二人も、
書き終わったらしく、手が動いていないようであった。
一時間など、あっというまで、試験は、終わってしまった。
試験の合否発表まで、会場を出て待つように言われ、外に出ると、5月の冷たい雨は、やんでいたので
あった。
連隊内の練兵場では、数個の組に分かれて、行進、敬礼、捧げつつ、などの基本訓練が、雨の中でも
行われていたようで、 冷たい雨に打たれて、濡れた軍服が、印象に残っている。
陸軍の歩兵は、日夜、歩け、歩けの大変なつとめである。
【当時の宣伝用、絵はがきの裏、海軍でも、歩兵教練は大切な、訓練項目であった。】
当時は、海軍の内情を知らないので、陸軍の歩兵教練など、一般兵士の
業務と、たかをくくっていたのであったが、 この訓練を、海軍兵学校に入学して、
みっちりと、仕込まれるとは、当時は、考えもしないことであった。
そうこうしていると、作文試験の合否発表の時刻に近くなり、元の会場に、歩いて
戻ったのであった。
そうすると、受験番号が、三人とも掲示されていて、三人とも合格していたのであった。
少し、遅れて、あとの二人が、入室してきたのであったが、三人とも、笑顔で、
試験会場で、翌日の予定という、張り紙に、見入ったのであった。
【次回に続く。】