第322回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第321話 海軍兵学校口頭面接入学試験の事、 2012年12月29日 土曜日の投稿です。
故郷への拝礼が済むと、「全員着席せよ。」と、指示が出たので、着席したのであった。
海軍大尉は、ヘビのような、冷たい目で、「広島第1中学の生徒は、起立せよ。」と、指示を出したので
我々は、起立したのであった。
「おまえ達の、昨日の作文の試験は、何だ、 みんな同じような、答えの文章ではないか、けしからん、
昨日の試験の、目的は、どのような考えの生徒であるか、掌握するための問題であるのに、貴様らは、
語り合ったように、同じ文章で、きれい事の文章がならんでおる。今日からの解答は、自分自身の考えで
解答するように、以上、 着席。」と、 朝から注意を受けたのであった。
つづいて、背広姿の文官が、「本日の口頭面接の試験の説明を行う、 場所は、この建物の2階、
面接官には、 そちらの海軍大尉と、 別の部屋で、 当職が、行い、2つの部屋で同時進行で行われる。
順番は、受験番号順である。
はじめの受験生は、口頭面接が済んだら、この部屋に戻らずに、建物の外に出てもらう、理由は、何を
聞かれたとか、話したとかを、あとの生徒に話すと、公平性が失われるからである。
1番はじめの生徒が終わると、こちらの試験係の上等兵と、軍曹が、呼び出すので、指示をここで静かに
待つように。」
それでは、ここで、全員、待つように。」
と、指示を出すと、海軍大尉と文官は、部屋の外に出て行ったのであった。
石村に、階段の段数を、何段であったのか、訪ねたかったのであるが、軍曹と上等兵が、我々の監視を
しているので、声をかけられず、仕方がないので、自分で歩いたときに、勘定しないと、と、思ったので
あった。
【次回に続く。】