第342回  昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第341話  海軍兵学校、 口頭面接入学試験の事。     2013年1月18日 金曜日の投稿です。
 
 
  宿屋で、朝食を済ませて、いつも通り、女将にお弁当と、水筒を作っていただき、「がんばってくるんよ。」
 
と、暖かい言葉をかけていただいて、風呂敷に包んで、大和屋を後にしたのであった。
 
 
  早朝の奈良市内の町を、歩兵38連隊の正門を目指して、歩いたのであった。
 
 
イメージ 1
 
 
               今日は、昨日と天気がうって変わって、良い晴天のようである。
 
              実は、雨天の日というのは、どういうわけか、視力が、悪い結果となり、
 
              晴天の時は、 少しであるが、良い調子のようである。
 
 
イメージ 2
 
 
          入り口の立ち番の兵士は、昨夜からの不寝番の様で、眠そうであった。
 
          何の仕事も、大変である。
 
          「畝傍中学卒業  淵田美津雄  海軍兵学校の入学試験のため、入ります。」と、
 
          挨拶すると、 立ち番の兵士が、眠そうな顔で、「入ってよし。」と、言うので、そのまま、
 
           歩いて、10歩ほど、中に入ると、「後から、おーーい、すみません。」と、声がしたので
 
         後を振り返ると、先ほどの星2つの階級章の一等兵が、後を追いかけてきて、「申し訳
 
         ありません、実は、本日の試験会場は、受験者3名と、少人数なので、あちらの建物にな
 
         ります。今日は、連隊の講堂では、試験がありませんので、よろしくお願いします。」と、
 
           言うので、 「御丁寧に、ありがとうございます。」と、話したのであった。
 
          毎年、奈良県からは、1名か、2名程度しか、合格者が出ていないそうで、今日が、
 
         最終日で、ふんどしのヒモを締めて、がんばろうと思ったのであった。   
         
 
      【次回に続く。】