第456回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第455話  下宿の部屋の事。 2013年5月22日水曜日の投稿です。
 
 
 
  私は、下宿先の自分の部屋に戻ると、荷物を降ろして、おばさんに、「かえって

きたけーー。」と挨拶したのです。
 
 「おばちゃん、明日、江田島に行って、前の晩、江田島の指定の宿舎とまりで、入学

式じゃけい。」と言うと、「實君、部屋は、お父さんと話したけど、そのままにしとくけえ、

記念日や、休暇が取れたら、うちに帰ってくりゃーーえーけーねー。」と、言ってくれた

ので、荷物と言っても、本と、服程度であるのだが、私は、加計の家に、送ってもらお

うかと、思っていたのであるが、御好意に甘えて、部屋は、そのままにして、江田島

に行くことにしたのです。
 
 
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数年後、この部屋は、広島1中に合格して、通学することになる、弟の幸夫【東京

帝大卒、通産官僚】の部屋となるのですが、弟は、結局、ここの原酒造の養子と

なるのですが、後のお話です。
 
 翌日、私は、下宿を出発して、江田島に向かうことにしたのです。
 
 下宿のおばちゃんに、「實君、体に気おつけるんよ、 休暇もろうたら、もどって

きいね。」と言われて、私は、「 ほんなら、いってくるけえ。」と挨拶して、 呉線

乗るのに、広島駅を目指したのです。
 
 
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              【 大正時代の当時の広島市内の様子】
 
 
     8月の暑い夏の後半の日、汗を拭き吹き、広島駅に、歩いて行き、 
 
 
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  広島駅に、到着し、呉線の切符を買って、 ホームに歩いていると、遠くに、

どこかで見た生徒が2人いる、同じ、宿舎の小池伊逸生徒と、もうひとりは、

淵田美津雄生徒であったのです。
 
 
私は、大きな声で、「 おーーい、小池生徒ではないか。」と、声をかけたのです。
 
 
 
【次回に続く。】