第461回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第460話 海軍兵学校、初登校前日の事。          2013年5月27日 月曜日の投稿です。
 
 
 
 
 「 みんみんみんみんみーーーーーーーー。」と、セミの鳴く、小用の港の路地を井上君と一緒に
 
歩いて、指定宿舎の三谷家に、急いだのであった。
 
 
 
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          井上君と一緒に、到着してみると、他の生徒は、全員そろっていて、 土間から、広間に
 
           上がって、兵庫県の魚住頼一君に聞いて見ると、
 
        
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         予定期日に、遅れたらいけないので、前日に到着して、待っていたという。
 
           「 三谷のおばさんは、どこにいったんや。」と、東京の今川福男君に聞くと、
 
          晩ご飯の魚介類の買い出しに行っているという。
 
          私は、荷物を降ろして、 井戸端で、井上君と顔を洗っていると、 どうも、おばさんが、
 
          帰ってきたらしい。
 
 
 
 
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           三谷のおばさんが、赤い魚を出すので、 「 きれいな魚やーー。」と、言うと、
 
           「一生に1度の、兵学校の入学じゃけえ、タイをこうてこようおもようたんじゃが、
 
           どこの家も、タイをさがしとるようでの、やっと、1尾、手に入れてきたんじゃ、
 
           なんとまあーー、いつもの日の10倍の値段がしたんじゃ。」と言って、大切そうに、
 
           うろこを取りだしたのであった。
 
 
 
          
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             その日の夜は、 砂地で釣れる、キスという、魚と、タイと、 井上君が持参した、
 
             納豆と、呉から、私が買ってきた、ドーナッと、そんな取り合わせで、楽しんだので
 
             あった。
 
             タイは、全員で1尾と言うことで、 少しだけ身をいただいたのであるが、とても美味い。
 
             気温の高い、夏場は、塩焼きにした方が良いそうで、 取れたての魚は、刺身でいた
 
             だくと、美味いらしい。
 
 
 
 
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           ところで、50年たった、現在でも、記憶に残っているのが、水戸中学の井上武男
 
           君が、持参した、【なっとう】という、豆の食べ物、  鹿児島中学の福元義則君が、
 
           「 糸がひいとるでごあすが、大丈夫でごあすか。」と、質問すると、 井上君が、
 
          { 戦国時代の常陸の板東武者は、戦地に、納豆を持参して、いただいていた、
 
          武人の食べ物だっぺ。」と言って、 ご飯の上に、載せて、まずは一番乗りで、
 
          美味しそうに食べるので、
 
 
 
 
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                私も、初めてであったが、いただいてみた、なかなか、美味しい物で、
 
                暑い夏場でも、保存が利いて、武人の食べ物とは、よく言ったもので、
 
               その後、みんなで、私が呉で買いこんだ、ドーナッをいただいたのであった。
 
 
 
 
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               井上君と2人で、コーヒー付きの25銭の カリーアンドナイスのお話をすると、
 
 
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           今度みんなで食べに行こうと、そんな話になり、楽しい、夜の夕食になったのであった。
 
 
 
【次回に続く。】