第463回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第462話 海軍兵学校 バス の事。2013年5月28日 水曜日の投稿です。
私たちは。先輩生徒の案内で、まず、自分たちが、寝泊まりする、分隊宿舎室
という部屋に案内されたのです。
その部屋には、自分のベットと、寝具、 木て出来た、簡単な私物入れがあり、
とりあえず、荷物をその中に、入れると、急いで、部屋を出て、生徒館の東側の
風呂場に連れて行かれたのです。
当時 私たちの分隊伍長は、第50期の角田隆雄 【のちの海軍大佐】生徒で、
角田1号生徒が、「 全員、朝から、バスに入ってもらう、 つまり、娑婆のあかを、
ここで、洗い流すと言うことである。 順番がつかえているのですみやかに衣服を
脱いで、バスに入り、 号令がかかったら、すぐ出てきて、着替えをするように。
以上、終わり。」 と、話があって私たちは脱衣場で裸になって、私はクビから
ぶら下げていた、伊勢神宮のお守りを外して手ぬぐいを持って前を隠して風呂
場に入ったのです。
海軍兵学校の風呂場というのは、普通の風呂と随分と違っていて、まず、風呂場
に入ると、1度に40人程度入れる、大きなプールのような、風呂が、2つあるので
す。
そして、そこに入ろうとした瞬間、肩をぐいっと、捕まれて、「 貴様は、何という名前
か。」と、角田1号生徒に、呼び止められたのです。
私は、とっさに、素っ裸で、きょうつけをして、 「奈良県立畝傍中学卒 淵田美津雄で
あります。」と、 風呂場に響く怒鳴り声で姓名申告すると、 「 なかなか、よい挨拶
だ、貴様、手に何を持っておるか 。」と、問われたので、 「 はい、手ぬぐいであり
ます。」と怒鳴り声で、解答すると、 角田1号生徒は、「全員、整列。」と、号令し、
私たちは、裸のまま、風呂場で、整列させられたのでした。
【次回に続く。】