第487回 昭和の伝道師【戦中戦後のパイロットの物語】

第486話  海軍兵学校 短剣授与式の事。           2013年6月22日 土曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
   私たちは、高松宮殿下をお迎えした後、そのまま不動の姿勢で、整列していたのであるが、
 
 
しばらくすると、またまた、ラッパの音がしたのであった。
 
 
 
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         私は、ラッパのメロディーの意味がわからず、周囲をちらりちらりと、見ていたのであるが、
 
       分隊伍長の角田隆雄生徒が、「 全員、練兵場に向かって、行進、 まわれーー、右。」と、
 
       号令がかかり、私たちは、整列して、お迎えした場所から、練兵場に行進したのであった。
 
 
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                  【昭和15年頃の生徒館新館前を行進する生徒、貴重な古写真】
 
 
 
         なんだかんだとやっていて、時間的に、正午近かったと思うのであるが、私たちは、
 
         1号生徒から、3号生徒まで、練兵場に整列して、指示を待ったのであった。
 
 
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          「 全員、 きょうつけーーー、敬礼。」と、号令がかかると、壇上に、生徒隊監事の
 
 
           中佐殿が、壇上にあがられて、私たちは、敬礼したのであった。
 
           どうも、校長の千坂閣下も、副校長の大佐殿も、 高松宮殿下と、一緒らしい。
 
 
 
 
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            「  注目。」と、 号令がかかり、私たちは、生徒隊監事を見つめていると。
 
 
        「 本日は、海軍兵学校として、高松宮親王殿下を、お迎えできたことは、大変な名誉な
 
         ことである。  今までは、皇室は、陸軍士官学校ばかり進学され、 海軍としては、
 
         残念に思っていたことであるが、高松宮親王殿下が、ここ、海軍兵学校に進学され、
 
         これほど名誉なことはない。  貴様らも、長時間、ご苦労であった。
 
         これより後の予定を伝達する。
 
         3号生徒の、第52期、兵学校入学予定者は、明日、1000時より、講堂にて、入学式が
 
         執り行われる予定である。
 
         前日の本日午後より、海軍士官の魂ともいうべき、短剣の授与式を執り行う。
 
         
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                 【昭和15年当時の海軍兵学校、短剣掛けにかけてある古写真】
 
      
                         各分隊の、伍長は、 3号生徒に、短剣の扱い方を、よく伝達し、 午後からの、
 
          短剣授与式に、遅れないように整列し、 指示を待つように。以上、終わり。」
 
 
       と、指示があり、  「 敬礼 ーーー。」の号令の後、私たちは、敬礼をしたのであった。
 
 
        いよいよ、私たちは、入学式の準備に、取りかかるのであった。
 
 
 
 
【次回に続く。】