第488回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第487話 海軍兵学校 短剣授与式の事 2013年6月23日 日曜日の登校です。
私たちは、「 以上、解散。」の号令の後、 それぞれの分隊の部屋に戻ろうとすると、
小池君と源田が、たまたま、私たちの前を通り過ぎ。嬉しそうな顔をしているので、
「 おい、どないしたんや、 なんぞ、ええ事でもあたんかいな。」と、聞くと、源田が、
「 貴様、考えても見ろ、我々は、おそれおおくも、皇室の皇子、高松宮殿下と、同級生に
なったんだから、こんな名誉なことはない、 そのうち、もしかしたら、天皇陛下になられる
お方かもしれん。」と、言うので、「 そういえば、そうやなーーー。」と、言うと、
「 いそぐので、それじゃーな。」と、言葉を交わして、別れたのであった。
同期でとか、 この後、ことある事に、どうゆうわけか、みんな、自慢するように
なるのであった。
すると、又々ラッパが鳴って、私は、ラッパの音楽の意味がわからず、
周囲を見ていたら、 2号生徒が、 「昼食だ。」と、言うので、私たちも一緒に、
食堂に急いだのであった。
やっと、暑い8月の午前中が終わり、ほっと一息である。
みんなが、アルマイト製のやかんのお茶をつぐので、すぐ無くなってしまい。
1号生徒や、2号生徒が、「 おい、当番、 お茶がたりん。 追加を持ってこい。」
と、50歳くらいの給仕のおじさんを呼び捨てにしているのであった。
私は、いかがなものかと、当時思っていたのであるが、そのうち、兵学校の授業を
受けていくうちに、私もこうなるのであった。
食事が終わると、私たちは、整列させられ、兵学校内の大講堂という建物に
集合させられたのであった。
海軍兵学校 大講堂 ここで、海軍士官の象徴の海軍士官短剣の授与式が
行われるのであつた。
【次回に続く。】