第492回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第491話  大正10年8月26日早朝の出来事。         2013年6月27日 木曜日の投稿です。
 
 
 
 
 入学式の前日は、なれない寝床と、空腹と、暑さで、よく眠れず、うつら、うつらと、目を閉じると、
 
他人のいびきや、何かで、目が冷めてしまい、疲れているのに眠れない、そんな感じの夜であった。
 
前日同様、夜中をずいぶんすぎて、部屋の中が、涼しくなり、すぅーーと、意識が遠のき、寝たと思ったら、
 
前日同様、分隊伍長殿と、伍長補殿の2名が、朝の4時過ぎに、私たちを、たたき起こして回り、
 
まったく、起床ラッパまで、ゆっくりと、寝かしてもらいたい物である。
 
 
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  本日は、昨日と違い、2号生徒も、たたき起こされて、「 2号、3号は、起床動作をはじめーーい。」
 
と、大声がして、私たちは、昨日同様、寝台の整理整頓を行ったのであった。
 
となりの、井上武男君を見ると、彼は、朝に弱いので、 ネジが取れて、思考能力0のような、顔つき
 
である。
 
  何度も何度も、起床動作をさせられて、 そうーーー、1時間程度、させられたか、外が随分と
 
明るくなると、起床ラッパが鳴ったのであった。
 
 
 
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                  【昭和16年頃の海軍兵学校の起床ラッパの古写真】
 
 
    ラッパがあると、そのラッパのメロディを聴いていた、分隊伍長の 角田隆雄1号生徒は、
 
   「 全員、外に急いで集合せよ。」と、 大声で号令すると、 私たちは、一斉に、南側の
 
   練兵場に、駆け足で、飛び出したのであった。
 
 
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               いよいよ、今日は、海軍兵学校、入学式の早朝の出来事であった。
 
 
 
 
【次回に続く。】