第2077回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】

第2076話 元近畿自由党 景山 英子 先生の逮捕のこと。

                         2018年2月20日火曜日の投稿です。




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    生前の 景山 英子 先生のお話によると、1885年 明治18年の12月

  の寒い日に、サーベルを腰にぶら下げた 警官や、 私服の羽織袴姿の男達

が一斉に押しかけてきて、「 景山 英子 やな、 間違いないな。」 と言うので

「 はい、 うちは、 景山 英子です。」 と答えると、いきなり頭の髪を捕まれて

「 この 淫売女、 神妙にするんや。」と言われて、引きずるように建物から連れ

出されたそうです。


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                  【 若い頃の 景山 英子 先生 】


  連れて行かれた建物の中で、正座をさせられ、 「 うちに なにをするんですか、

乱暴はやめてください。」と、涙を流しながら訴えると、 「 お前は 爆発物を製造

する薬品を調達しておったそうやないか、 えーーっ どう言うことをしとったんか

いな全部言うんやっ。」 と言われて 黙っていると、 棒で、脚のモモの部分を、

「 いわんかぃ。」と、大声をかけながら、「 ぱっしん、 ぱっしん。」と、 思いっきり

叩かれて、「 いっ いたーーぁぃ。」 と、悲鳴をあげたそうです。


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 ちょうどその頃、 同時に、 同じ岡山県の活動家であった、同じ 山陽自由党

小林 樟雄 【 こばやし くすお】先生も 逮捕され、拷問を受け、 栃木県会議員

であった 新井 章吾 先生も 逮捕され、拷問を受け、 稲垣 示 先生も逮捕さ

れて拷問を受けていたそうです。



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   そして もう1人、茨城県の出身の 自由党員 磯山 清兵衛氏も逮捕され

 殴る 突く の拷問を受け、 ついつい 計画を話してしまい、 それが元で、

 さらに 多くの人が 逮捕される事になっていったと言われています。



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                  【 栃木県会議員 新井 章吾 先生 】



 言い伝えによると、 栃木 県会議員の 新井 章吾 先生が 行動隊長と

 なって、 近畿自由党員を引き連れて、 朝鮮独立党の 金 玉均氏を道案内

に、 朝鮮半島に攻め入る計画で、 その軍資金を 大井 憲太郎氏らが、政府

と懇意にしている大阪の商売人の倉の錠前を爆破して、 金銭を強奪しーー云々

という筋書きであったそうですが、 後のお話しでは、これらの話は、内務省

創作話で、 大勢を逮捕するために用意した、作り話であったとか、 逆に、この

話は本当であったが、規模の小さな計画であって、 それほど大きな陰謀では

無かったとか、 いろんな言い伝えが残っています。


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   この事件の事を 明治18年の 大阪事件と言います。

  景山 英子 先生は、 「代言人事務所の 大井 憲太郎先生に、薬屋から

  薬を受け取って来るように言われて、 風呂敷包みを 何度か店屋で預かって

  事務所まで運んだことはありますが、 それが 爆発物の原料であったとは、

  まったく うちは知りませんでした、 本当です。」 と 繰り返したそうですが、

  警官から、 「 この あまーっ ケツの穴で、 大井を 籠絡して、反乱を

  計画し、お前が 主犯格や ないんかい。」 と、 怒鳴られ、 「 このーっ

  国賊がーーっ。」と、怒鳴りながら 棒で叩かれ、 悲鳴を上げていったそう

  です。

  我慢していれば、 大井 憲太郎が きっと 助けに来てくれると信じて、

  涙を流しながら 辛抱していたそうですが、 誰も助けに来てくれなかった

  そうです。 


   【 明日に続く。】